積水化学工業株式会社(代表取締役社長:根岸 修史、以下「当社」)は、タイにCPVCコンパウンド(※1)生産・販売会社を新設することを決定しました。
先般、米国のThe
Lubrizol Corporation(以下「ルーブリゾール」)とのCPVC樹脂の生産合弁会社をタイに設立することを決定しておりましたが(2013年2月21日プレスリリース)、このCPVC樹脂工場と同じ工業団地内にコンパウンド生産工場を設け、樹脂工場で生産するCPVC樹脂の一部を引き取り、CPVCコンパウンドを生産します。
当社は、タイのCPVC樹脂・コンパウンドの生産拠点新設により、南アジアやASEAN、中東で拡大する需要を獲得し、同地域でのシェア拡大を目指します。
(※1)CPVCコンパウンド・・・パイプ等の成形加工に必要な添加剤をCPVC樹脂に混練させたもの
1.CPVC樹脂の特徴・用途
CPVC(Chlorinated PolyVinyl Chloride)樹脂は、塩素を付加した特殊な塩化ビニル(PVC)樹脂で、主に、耐熱性が必要とされる給湯用・工業用・スプリンクラー用の配管材などの原料として用いられています。
2.市場環境
近年、インドを中心とする南アジアやASEAN、中東などにおいて、住宅や工場などの建築物に使用されている配管材の、金属系からCPVC製への代替が進んでいます。併せて、経済成長に伴う建築需要も旺盛です。これに伴い、CPVC樹脂の需要が毎年拡大し、今後も堅調な伸びが期待されています。
3.CPVCコンパウンド生産・販売会社設立の背景・ねらい
当社は、グループ会社の徳山積水工業株式会社(以下、徳山積水)において、アジアを中心に拡大するグローバル需要に対応すべく、今年7月にCPVC樹脂の生産能力を増強しました(生産能力3.3万トン/年→4万トン/年)。加えて、徳山積水では、配合設計技術の研究を進め、CPVCコンパウンドの品質向上と競争力強化に努めてきました。また、前述の通り、ルーブリゾールとタイにCPVC樹脂生産合弁会社を設立することで合意し、現在設立に向けた準備を進めていますが、この合弁会社では、当社独自の熱塩素化技術をベースとしてCPVC樹脂の生産を行います。
コンパウンド生産工場を合弁会社と同じ工業団地内に新設し、CPVC樹脂からコンパウンドまでの一貫生産を行うことで、高い品質とコスト競争力の実現を目指します。また、販売拠点をバンコク市内に設けます。これにより、アジア、中東のCPVC市場におけるシェア拡大を図ります。
4.CPVCコンパウンド生産・販売会社の概要(予定)
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1) |
会 社 名 |
SEKISUI SPECIALTY CHEMICALS (THAILAND) CO., LTD |
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2) |
設 立 |
2014年1月 |
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3) |
資 本 金 |
4.8億タイバーツ |
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4) |
株主構成 |
当社90%、徳山積水10% |
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5) |
事業内容 |
CPVCコンパウンドの生産・販売 |
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6) |
生産開始 |
2015年1月 |
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7) |
生産能力 |
2.4万トン/年 |
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8) |
所 在 地 |
(工場) |
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タイ ラヨーン県 マプタプット ヘマラートイースタン工業団地 |
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(本社・販売拠点) |
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タイ バンコク市内 |
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9) |
従 業 員 |
約70名(工場、本社・販売拠点の合計) |
5.当社のCPVC樹脂生産能力について
ルーブリゾールとのCPVC樹脂生産合弁会社では、2014年1月に着工、2015年初に3万トン/年の生産能力で稼働開始予定ですが、翌2016年前半には生産能力を4万トン/年に増強する予定です。
<CPVC樹脂・コンパウンドの生産拠点・能力一覧(見通し)> |
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6.補足
本プレスリリースに記載しておりますCPVC樹脂生産合弁会社の設立等につきましては、各国の関係当局による承認を条件としています。
以 上
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