積水化学工業株式会社(代表取締役社長:髙下貞二、以下当社)の環境・ライフラインカンパニー(プレジデント:久保肇)は、この度アセットマネジメントシステムの国際規格である「ISO55001」の認証を取得いたしました。
アセットマネジメントシステムの認証を取得するのは、国内製造業では初めての事例となります。
【2015年4月2日 ISO55001登録証授与式の様子】 |
【ISO55001登録マーク】 |
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1.背景
日本国内に張り巡らされた下水道管路の総延長は約45万kmあり、中でも耐用年数の50年を経過した 老朽管きょは1万kmを越え、今後も急増することが確実な状況です。これら膨大な管路ストックを適正に管理し、 トータルコストの低減を図りつつ下水道の機能を継続的に維持していくことが喫緊の課題となっています。こうした状況の中、アセットマネジメントシステムの国際規格であるISO55001が2014年1月に発効となりました。国内では国土交通省が、下水道分野におけるISO55001適用ユーザーズガイド(案)の公表や試行認証の実 施など、認証取得を推奨しています。2015年3月末現在で、国外で11組織、国内で5組織が認証を取得しており、今後も国内外で普及が進んでいくことが予想されます。
2.ISO55001について
ISO55001には、アセット(※)の要求機能や性能を確実に発揮させるために、コストやリスクを把握してそのバランスを考慮するアセットマネジメントの要素と、目標を達成するためのプロセス(役割分担や業務手順)を構築し実施するマネジメントシステムの要素があります。上下水道、交通、エネルギー、通信などの社会インフラおよび建築物や工場などの社会ファシリティに対して、 ハードだけでなく資金、人材、情報などのマネジメントも含めた計画的かつ効率的なアセットの管理を実施していくために必要な事項が規定されています。
(※)アセット:組織にとって潜在的にあるいは実際に価値を有するもの(価値は有形/無形のもの、金銭的/非金銭的なものがある。)
3.当社の認証取得について
当社では、現在、バリューチェーンビジネスを武器として、「補修、更生、更新」のソリューションを提供する『エンジニアリングメーカー』という新しい概念で、老朽インフラから建築物に至るストック市場での貢献を目指しています。2014年2月には、当社を代表とする共同企業体が、「河内長野市下水道管路施設包括的管理業務」を受託し、業務を実施しています。この度、この河内長野市での業務を実証サイトとして、ISO55001の認証を国内製造業で初めて取得いたしました。認証機関は、株式会社日本環境認証機構(JACO)となります。
(ご参考)
株式会社日本環境認証機構(JACO)ウェブサイト
【認証の概要】
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4.今後の展開
本認証の取得により、さらに高度なマネジメント力の構築を図り、今後ますます拡大するストック市場における「エンジニアリングメーカー」 としての役割を発揮し、包括事業をはじめとする官民連携の取り組みを積極的に推進してまいります。