モバイル端末の「狭額縁化」・「薄型化」に対応した工業用両面テープのラインナップ強化

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  積水化学工業株式会社(代表取締役社長:髙下貞二)の高機能プラスチックスカンパニー(プレジデント:加藤 敬太)は、エレクトロニクス分野を戦略分野の一つに位置付け、経営資源を重点的に配分、主にプラスチックスを原料としたテープ微粒子封止材など関連製品の開発・拡販に注力しています。
  これら製品の主な用途であるスマートフォンなどのモバイル端末においては、デザイン性や視認性、ハンドリング性へのニーズが高度化し、狭額縁化・薄型化の傾向になっています。OLEDパネルの普及により一段の薄型化が可能になっていますが、一方でOLEDパネルは耐久性(寿命)やコスト面において課題があるため、耐久性等で優位性のある液晶パネルによる薄型化ニーズもあると考えています。
  モバイル端末の狭額縁化・薄型化のためには、端末の筐体やカバーパネル、ディスプレイなどを接合したり、ディスプレイ構成部材を積層するためのテープを細く・薄くすることが求められます。当社では、前述のニーズに対応できる、これらテープのラインナップを強化し、モバイル端末の高機能化に貢献します。


<今般強化した2製品>

今般強化した2製品


今般強化した2製品 (前掲の図ご参照)

1.「超耐衝撃Narrow Bezelテープ」(機能フォームテープ)

~最小幅0.7mm(従来比50%)で従来通りの接合・緩衝などの機能を発揮~
  「超耐衝撃Narrow Bezelテープ」は、主にモバイル端末の筐体とカバーパネルの接合に使用する、フォーム(発泡体)や特殊衝撃吸収ポリマーなどを基材とした両面テープです。接合・防水・防塵・緩衝などの各機能を有しています。端末を落としたときなどの衝撃を吸収し、ディスプレイや筐体などの破損を防ぐ高い緩衝効果を有しています。
  本製品において、従来比50%となる幅0.7mmのラインナップを上市しました。テープ基材部の設計を工夫することにより、幅が狭くなることで懸念される接合・緩衝機能の低下を抑制し、当社従来品・競合品同様の接合・防水・防塵・緩衝などの各機能を有しています。

機能フォームテープlink


2.「遮光PETテープ」

~厚さ0.015mm(従来比30%)で従来通りの接合・遮光などの機能を発揮~
  「遮光PETテープ」は、主にディスプレイ構成部材の接合に使用する、PETを基材とした両面テープです。接合の機能のほか、バックライトの光がディスプレイ端部から抜けるのを防ぐ機能を有しています。
  本製品において、従来比30%となる厚さ0.015mmのラインナップを上市しました。テープの基材、粘着剤の各構成材料の厚さを薄くしていますが、特に、テープ両面に塗布する粘着剤の設計を工夫することにより、当社従来品同様の接合機能を有し、かつ耐熱性を向上させています。

遮光PETテープlink



エレクトロニクス分野における車載用途開拓など今後の展開

  自動車においては、自車環境を明示するスピード・距離等の車体情報以外に、安全サポートを狙いとするバック・サイド情報、エンタテインメントを狙いとする映像・音楽情報等のディスプレイ表示化が急速に進んでいます。そのため、従来モバイル端末などに使用されてきたテープなどの自動車への転用ニーズが高まっています。
  一方、自動車においては、日射による「高温」や運転中の「振動」など、モバイル端末よりも使用環境が厳しい面があり、耐高温性・耐振動性などの性能を強化した製品の開発を進めています。

  当社は、「モバイル端末の高機能化に寄与する高付加価値製品」・「車載向け製品」の開発・拡販や、半導体やLED向けなど製品ポートフォリオ拡充を図り、エレクトロニクス分野の持続的な成長を図っていきます。