2019年9月11日
積水化学工業株式会社
積水化学工業株式会社(代表取締役社長:髙下 貞二、以下「当社」)の高機能プラスチックスカンパニー(プレジデント:清水 郁輔)は、9月12日(木)~22日(日)にドイツで開催される、世界最大のモーターショー「IAA2019(フランクフルトモーターショー)」に出展します。
なお、この度、当社グループの技術を搭載したコンセプトカーを制作し、IAA2019の当社ブースにて初めて公開します。
背景
当社の高機能プラスチックスカンパニーでは、エレクトロニクス、車輌・輸送、住インフラ材を戦略3分野と位置付け、事業の拡大を図っています。その中で、車輌・輸送分野においては、自動車業界のトレンドである「CASE」の発展を支援する材料の開発および拡販を基本の戦略としています。「C(Connected)」、「A(Autonomous)」、「S(Shared)」、「E(Electric)」がそれぞれ表すトレンドに対し、当社グループは、通信を阻害せずに赤外線の車内への進入を防ぐ「合わせガラス用遮熱中間膜」、自動運転を支える電子機器(カメラ・センサー等)の信頼性を高める「放熱材料」、誰が使用しても快適な自動車を実現する「内外装部材(フォーム、成型品)」、バッテリーや電子部品の機能・安全性を支える「放熱・耐火材料」といったソリューションを有しています。
欧州は、自動車業界において新技術が積極的に導入される、言わばトレンドの発信拠点でもあります。当社は欧州を重要なエリアととらえており、2017年度には、オランダのオープンイノベーション施設内に、欧州でのリサーチ・マーケティングを行い研究開発につなげる欧州研究センターを設立しました*1。
また、生産面でも欧州は当社グループにとって重要なエリアであり、中間膜、フォーム等の生産拠点を構えています。加えて、各事業の欧州における生産能力増強を進めており、中間膜事業においては、HUD対応くさび形中間膜等を生産できる新製膜ラインが2019年10月、中間膜原料樹脂の新ラインが2020年4月に稼働を予定しています*2。放熱材料事業においては、オランダに新工場の建設を進めており、工場の稼働開始は2020年春~夏頃を予定しています*3。
こうした中で、ドイツで開催されるIAA2019は、欧州のお客様に当社グループの技術を知っていただく好機ととらえ、出展する運びとなりました。
コンセプトカーについて
(1)概要
当社は総合素材メーカーとして、車輌・輸送分野においても様々なソリューション提供が可能であることを知っていただくことを目的に、新製品を含む約40種類の製品を搭載したコンセプトカーを制作しました。当社の製品は外観では見えない中間素材が多くありますが、自動車における使用部位や役割・機能をより分かりやすくご理解いただくため、お客様に見て触って体験いただき、複数の製品を同時に体験できるような設計上の工夫も施しています。
(2)採用製品(代表例)
①合わせガラス用中間膜
中間膜は、ガラスの貫通・飛散防止や紫外線カットのため、自動車ガラスに使用されているフィルムです。当社では、そうした基本機能に加え、遮音・遮熱・HUD対応などの高機能を付与した中間膜の開発・販売に注力しており、自動車向け合わせガラス用中間膜全体での世界でのシェアは約40%とトップです*4。なお、コンセプトカーには、フロントガラス全面に情報を表示できる「自発光機能」を付与した中間膜を採用しています。自発光中間膜については、建築向けに2021年度の上市を、自動車向けではフロントガラスやサイドガラスへの採用活動を進め、2020年度の上市を目指しています。
②ポリオレフィンフォーム
主に内装の下地材やHVAC(冷暖房空調設備)の断熱材として使用されています。内装の下地材としては、柔軟性と形状保持を両立する高機能のポリプロピレン製フォームを中心に、主に高級車向けに採用されています。本コンセプトカーには、従来なかった光透過性を付与した開発品を搭載しています。本商品は、特にインパネまわりを中心に内装のデザイン性を向上させる素材として、今後各自動車メーカーに向けて提案を進めていきます。
当社は、1964年に世界で初めて電子線による架橋発泡技術を開発し、架橋ポリオレフィンフォームではトップシェアを誇ります*5。
③カラーカーボン
炭素繊維のテキスタイルに金属をスパッタリングした素材です。金属の種類によって様々な色を表現することができるため、カラーカーボンを使ってCFRP成型品を生産すると、塗装せずに高いデザイン性を付与することができます。
現在、自動車メーカーやTier1メーカーに内外装用部材として採用活動を推進しています。
④放熱グリス
室温で硬化可能なシリコーン放熱グリスです。当社グループでは、電気自動車の動力源として搭載されるバッテリーの熱対策としての提案を進めています。
当社グループの放熱材料は、高い熱伝導性に加え、塗布設備に対する耐摩耗性や製品そのものの低アウトガス性能により各自動車メーカーやリチウムイオン電池メーカーから高い評価を得ています。2020年春~夏頃に稼働予定のオランダの工場新設により、世界トップシェアを目指します。
(左上)自発光中間膜と(右下)光透過性フォーム
カラーカーボン1
カラーカーボン2
放熱グリス
(3)コンセプトカー特設ページ
*1)2017年7月13日プレスリリース「オランダに合わせガラス用中間膜の欧州研究センターを新設」
*2)2018年1月25日プレスリリース「欧州における合わせガラス用中間膜および原料樹脂の生産能力増強について」
*3)2018年7月25日プレスリリース「欧州における放熱材料事業の拡大について」
*4)、5)2018年度当社調べ。
ご参考
【IAA2019(フランクフルトモーターショー2019)開催概要】・開催日・時間 : 9月12日(木)-22日(日)9:00-19:00
・場所 : ドイツ・フランクフルト
・当社ブース : ホール9.0 スタンドB02
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