MIを活用した新規高分子系材料探索を、明治大学 金子研究室と協働で開始

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2022年8月29日
積水化学工業株式会社

  積水化学工業株式会社(代表取締役社長:加藤敬太、以下「当社」)は、明治大学の金子研究室(データ化学工学研究室)と協働で、マテリアルズ・インフォマティクス(以下、MI)を活用したエレクトロニクス分野向けの新規高分子系材料の探索を開始しました。新規材料の効率的探索手法を有する金子研究室の技術と、当社の有する材料技術を掛け合わせることで革新的な材料の発見を狙います。また、今後幅広くデータ駆動型開発を行うための基盤技術の構築も図っていきます。

  金子研究室は統計学・情報学・データ解析・機械学習を駆使してAIやモデルをつくることで、暗黙知を形式知化したり、その形式知を活用して新たな設計をしたりする、化学・化学工学の研究をしています。
ご参考)明治大学 金子研究室:https://datachemeng.com/post-4832/

  当社では、これまで事業部門の専任部署にて情報科学技術群(統計解析・計算科学・画像解析など)の技術構築や研究開発への活用を推進してきました。多数の研究開発に貢献したことから、「情報科学推進センター」の設立に至り、昨今では全社的な取り組みとして推進しています。情報科学推進センターは、MI、計算科学、評価・分析、画像解析に一元的に取り組む組織であり、データ駆動型開発をこれまで以上にスムーズに行うことが可能です。

  当社は、エレクトロニクス分野において、各種ディスプレイや電器、通信機器、基板・半導体向けに微粒子、接着剤、テープ・フィルムなどの製品を提供していますが、昨今のIoTの進展や5G~6Gなどの高速通信技術の急速な発展に伴い、高性能・高品質な製品を短期間で開発することが求められています。

  一方、これまでの当社の材料開発におけるMI活用は、多数の既存材料の組み合わせ最適化が中心でした。市場ニーズに応えるには、高い要求物性の実現や、多数の物性を同時に満たす材料を早期に具現化する必要があり、これまでのように既存材料の組み合わせのみでは対応が困難になってきています。しかしながら、高分子系の材料や反応性のある材料の新たな構造設計においては、原料の分子構造をそのままインプット情報として使えないケースもあり、技術的なハードルが高いという課題がありました。

MIを活用した新規高分子系材料探索

   そこで、本分野で研究実績のある金子研究室と協働することで、早期技術基盤構築、革新的材料発見を目指すこととしました。そして、エレクトロニクス材料の開発においてブレークスルーとなる新材料を実用化し、市場ニーズに対応する製品を創出し続けたいと考えています。

  なお、計画している具体的なスケジュールは以下の通りです。
    ・2022年度:金子研究室の技術、データ駆動型開発による革新材料候補の抽出、基盤技術構築
    ・2023年度:材料具現化、基盤技術の拡張
    ・2024年度以降:製品化

  今回のエレクトロニクス材料探索への取り組みをベースに、他の事業領域にも取り組みを拡大し、さまざまな分野で新製品創出を志向した基盤技術の構築・活用を進めます。また、今後も社外の様々な新規技術を積極的に活用し、新素材開発や開発スピードの加速など、開発力の強化を通じて高付加価値製品の創出を目指します。

以上

本件に関するお問い合わせ

  【報道関係の皆様】
    広報部
    Email: kouhou@sekisui.com

  【一般のお客様】
    R&Dセンター 情報科学推進センター
    Email: i3c_prsk@sekisui.com