「抗ウイルス加工剤」配合UV塗料膜において新型コロナウイルスの不活化効果を確認

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2023年3月29日
積水化学工業株式会社
積水マテリアルソリューションズ株式会社

  積水化学工業株式会社(代表取締役社長:加藤敬太)の100%子会社である積水マテリアルソリューションズ株式会社(代表取締役社長:荒尾隆嗣)は、独自の「抗ウイルス加工剤」について、SARS-CoV-2(以下「新型コロナウイルス」)のウイルス不活化評価体制を共同研究先である学校法人関西医科大学(大阪府枚方市、微生物学講座大隈和教授)と構築。ウイルス不活化試験を実施し、同「抗ウイルス加工剤」を配合したUV塗料膜は、新型コロナウイルスを30分間で不活化することを確認しました。

1.確認した効果

  当社グループ独自のアニオン系ポリマーである「抗ウイルス加工剤」を配合した、ハードコート層形成用途などに用いられるUV塗料膜に新型コロナウイルスを一定の条件下で30分間接触させると、ウイルス感染価が99%以上減少しました。これらの結果により、同「抗ウイルス加工剤」を配合したUV塗料膜は、新型コロナウイルスを30分間で不活化することを確認しました。

2.実施した試験

【効果を確認した抗ウイルス加工剤】

  抗ウイルス加工剤A
  抗ウイルス加工剤B

【ウイルス不活化試験(プラーク法による確認)】

  試験内容: 
    抗ウイルス加工剤配合UV塗料膜の新型コロナウイルス不活化効果

  試験方法概要:

実施時期 2023年1月
実施場所 学校法人関西医科大学医学部微生物学講座
供試ウイルス     新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)
試験品 抗ウイルス加工剤Aを配合したUV塗料(50mm×50mm)
抗ウイルス加工剤Bを配合したUV塗料(50mm×50mm)
抗ウイルス加工剤を配合しないUV塗料(50mm×50mm)
方法 ①試験品に対して、新型コロナウイルスを0.4mL接種し、40mm×40mmのカバーフィルムを密着させた状態で30分間静置
②反応後、回収したウイルスのウイルス感染価をプラーク法にて測定
③不活化効果算出 不活化効果(Mv)=log(N30/C30)
  C30:コントロール30分後の感染価 N30:試験品30分後の感染価
④減少率を対数減少値より算出 減少率=(1-1/10対数減少値)×100%

3. 試験結果

表1.抗ウイルス加工剤配合UV塗料膜によるウイルス感染価(PFU/sample)

表1.抗ウイルス加工剤配合UV塗料膜によるウイルス感染価

表2.抗ウイルス加工剤配合UV塗料膜による不活化効果

表2.抗ウイルス加工剤配合UV塗料膜による不活化効果
※減少率(%)は小数点第4位以下切り捨て

抗ウイルス加工剤配合UV塗料膜によるウイルス感染価(30分後)
図1.抗ウイルス加工剤配合UV塗料膜によるウイルス感染価(30分後)

4.今後の事業展開

  本ウイルス加工剤のさまざまな分野・製品への製品化を加速し、ひとびとの健康で安心・快適な暮らしの一助となるように貢献していきます。

【ご参考】積水マテリアルソリューションズについて

1)事業内容 包装資材、工業資材、住宅建築資材、生活産業資材・ケアマテリアル関連製品等の販売
2)本社所在地 東京都中央区日本橋本町4-3-6
3)設立年月日 2016年4月1日
4)資本金 50百万円(積水化学100%出資)
5)ウェブサイト http://www.sekisui-ms.co.jp

<本件に関するお問い合わせ先>

    報道関係の皆様
      積水化学工業株式会社 広報部
          E-mail:kouhou@sekisui.com

    報道関係以外のお客様
      積水マテリアルソリューションズ株式会社 新規事業本部 ケアマテリアルプロジェクト
          TEL:03-6744-5753 FAX:03-6744-5754