ポリビニルアセタール樹脂の生産能力を増強

-セラミックバインダー向け需要増加に対応-

2023年5月16日
積水化学工業株式会社

  積水化学工業株式会社(代表取締役社長:加藤敬太、以下「当社」)の高機能プラスチックスカンパニー(プレジデント:清水郁輔)は、滋賀水口工場において、ポリビニルアセタール樹脂の生産能力を増強することを決定しました。増産開始は2025年度第4四半期(2026年1~3月)を予定しています。

1.背景

  高機能プラスチックスカンパニーの機能樹脂事業部では、ポリビニルアセタール樹脂事業をグローバルに展開しており、各種バインダー、接着剤、インク、塗料など幅広い用途で使用されています。当社独自の生産技術により、品種の幅広いラインアップとロット間の高い安定性を実現し、特に電子部品向けセラミックバインダー用途では世界トップシェアを誇っています。近年、パソコン、スマートフォンなどの電子機器用途に加えEV車などをはじめとした車載電子部品の増加に伴い、その需要は急速に拡大しています。今後も、エレクトロニクス産業のみならず自動車産業においても市場伸長が継続的に見込まれていることから、約20億円を投じ、安定的な供給体制の構築を目指します。

2.本投資の概要

1)投資先

滋賀水口工場 滋賀県甲賀市水口町泉1259

2)投資額

約20億円

3)投資内容

設備増設(現生産能力の約2割増)

4)増産開始

2025年度第4四半期(2026年1~3月)

ポリビニルアセタール樹脂
積層セラミックコンデンサなど製造時に欠かせないポリビニルアセタール樹脂

3. ポリビニルアセタール樹脂および今後の機能樹脂事業の展開について

  機能樹脂事業は、ポリビニルアセタール樹脂「エスレックB/K」のほか、ポリビニルアルコール樹脂「SELVOL(セルボール)」、アクリル系発泡微粒子「ADVANCELL(アドバンセル)」の3製品群を、日(2)、米(2)、欧の世界5拠点で生産しグローバルに事業を展開しています。その用途は幅広く、家電やモバイル端末などのエレクトロニクス、自動車や建築といったさまざまな分野で使用されており、高い品質により、顧客製品の安全性向上や機能性、生産性の改善に寄与するなど高い評価を受けています。今後も、社会課題の解決に資する高機能で高付加価値な製品の開発、提供を通じて積水化学グループの掲げるサステナブルな社会の実現に向けて取り組んでいきます。

【ご参考】 ポリビニルアセタール樹脂 「エスレックB/K」

  ポリビニルアルコールを主原料とし、アルデヒドを反応させた「強靱性」「柔軟性」「接着性」「分散性」に優れた樹脂です。

  • 強靱で低温下での衝撃性、接着性に優れており、多くの有機溶剤に溶けます。
  • 有機顔料や無機物の分散性に優れ、相溶性、架橋性を有しています。また、無色・透明、無毒・無臭で中間膜原料、セラミックバインダー、プリント基板用接着剤、インク、塗料などに広く使用されています。

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