2025年11月4日
積水化学工業株式会社
積水化学工業株式会社(代表取締役社長:加藤 敬太、以下「積水化学」)の高機能プラスチックスカンパニー(プレジデント:浅野 陽)は、2025年11月5日、ミュンヘン地方裁判所が認めた特許差止命令をクラレヨーロッパ有限責任会社(以下「クラレ欧州」)に対して執行することをお知らせいたします。
2025年4月17日、ミュンヘン地方裁判所は積水化学の請求を認める勝訴判決(事件番号7 O 12401/24)を下し、クラレ欧州に対して、ドイツ国内での「“Trosifol” The Wedge Acoustic」および「“Trosifol” The Wedge Acoustic Shadeband」(以下、総称して「クラレ製品」)の製造、提供、使用、市場投入、輸入、または所持を中止するよう命じました。この判決は、PVB中間膜の楔形の多層フィルムに関する欧州特許EP 2 017 237 B2(以下「EP'237」)の請求項1の侵害に基づくものです。この決定は、保証金を提供することで暫定的に執行可能です。
クラレ欧州はこの決定に対して控訴しており、現在ミュンヘン高等裁判所(事件番号6 U 1589/25 e)で控訴審が進行中です。また、EP'237のドイツ部分に対する無効訴訟が連邦特許裁判所(事件番号3 Ni 2/25 (EP))で進行中です。
慎重な検討の結果、積水化学は必要な保証金を提供することで差止命令を執行することを決定しました。2025年11月5日以降、クラレ欧州は前述のクラレ製品をドイツ国内で製造、提供、使用、市場投入、輸入、または所持することが禁止されます。
積水化学の決定は、2025年10月22日に連邦特許裁判所が発表したEP'237の有効性に関する肯定的な予備意見に支えられています。この意見では、EP'237が付与された通りに有効であり、クラレ欧州の有効性に対する異議は根拠がないとされています。審理は2026年4月14日に予定されています。
積水化学グループは、保有する知的財産権を重要な経営資源と位置付けており、今後も知的財産権が侵害されていると判断した場合は、厳正に対処していく所存です。
<本件に関するお問い合わせ先>
コーポレートコミュニケーション部 広報グループ
E-mail:kouhou@sekisui.com