2020年5月22日
積水化学工業株式会社
積水化学工業株式会社(本社所在地:大阪市、代表取締役社長:加藤 敬太、以下「積水化学」)は、積水化学グループ 長期ビジョン「Vision 2030」の第一歩として、ESG経営の本格化による「経営の盤石化」と「次なる成長へ仕込みの加速」を狙い、積水化学グループ全社を対象とする2020年度から2022年度の3年間を実行期間とする中期経営計画「Drive 2022」を以下のとおり策定しました。
積水化学グループ 中期経営計画「Drive 2022」
1.Drive 2022 全体概要・全体像
方針 |
Vision 2030の実現に向け、持続可能な「成長」・「改革」・「仕込み」に“Drive”をかける |
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基本戦略 |
◆ESG経営を実践し、持続的に企業価値を向上させることのできる企業体制を構築する ◆長期ビジョンの第一歩として“3つのDrive”に取り組む “現有事業Drive” ①成長と改革 “新事業Drive” ②長期への仕込み “経営基盤Drive ” ③ESG基盤強化 ◆融合・デジタル変革により加速 |
目標 |
2022年度 売上高12,200億円 営業利益1,100億円 ROIC8.6% (約1%向上) ROE10.6% (10%超維持) |
2.基本戦略詳細
1)成長と改革“現有事業Drive”
◆成長戦略
全社売上高約900億円増(2019年度比)を目指します。海外を中心とした各ドメインの成長のための投資を拡大し、リターンの早期獲得を狙います。国内を中心とする基盤事業は、不確実な環境下でも着実に利益を出せるよう変革します。
◆構造改革
全社営業利益率10%レベルの収益性確保を目指します。サプライチェーン全体のコスト革新などの生産革新、低採算製品や事業の構造改革に絶えず取り組みます。
◆デジタル変革
デジタル変革推進部を立ち上げるなど推進体制を強化し、投資も積極的に行い、成長戦略・構造改革をサポートします。
2)長期への仕込み“新事業Drive”
際立つコア技術を起点に、イノベーションと融合を推し進めます。新規事業の立ち上げ強化とM&A積極化、投資枠拡大により、各ドメインにおいて新事業基盤の創造・獲得を図ります。
レジデンシャル領域では、まちづくり専任部署やタウンマネジメント会社を創設しており、案件拡大と深掘りに取り組みます。アドバンストライフライン領域では、ごみをエタノールに変える技術のスモールスケール実証を完遂し、本格実証に移行します。イノベーティブモビリティ領域では、航空機分野本格参入のために買収したSEKISUI AEROSPACE社の収益力強化を進めていきます。このなかで、積水化学で開発した熱可塑CFRPとの融合も含め、シナジーを追求していきます。ライフサイエンス領域では、次なる成長の柱の構築を目指します。全社の知見を融合して探索するとともに、引き続き、積極的にM&Aも検討していきます。
3)ESG基盤強化“経営基盤Drive ”
積水化学グループのESG経営とは、社会の持続可能性向上と積水化学グループの利益ある成長の両立を 目的とし、環境や社会の課題をより戦略的に捉え、それらの解決に取り組む企業活動(=仕事そのもの)です。「Vision 2030」では、ESG経営を実践するための3つの推進力として、従来から重視してきた「社会課題解決貢献力」「利益創出力」に加え、「持続経営力」を新たに設定しており、これらの強化に取り組みます。
◆持続経営力の強化に向けたKPIとして、ROICを導入
効率性の指標としてROICを導入し、実質ベースで約1%の向上を狙います。そのために、限界利益の拡大や生産性向上などにより“利益率”を向上させ、適切な資本投下や工場稼働率向上、在庫適正化などにより“回転率”を高めていきます。
◆資本効率向上と長期的な広義の資本コスト低減により、持続経営力を向上
効率性(ROIC)と長期持続性(資本コストの抑制)の差を「セキスイ・サステナブル・スプレッド(ROICスプレッド)」とし、その拡大により持続経営力を向上させ、企業価値を高めていきます。
◆重大インシデント抑え込み、経営基盤への投資により、広義の資本コストを抑制し持続経営力を向上
安全・コンプライアンス・CS品質向上の徹底によりリスク抑え込み、重大インシデントの発生回避を行います。また、ESG投資枠を創設し、デジタル変革、環境、人材などへの投資を拡大し、実効的な資本コスト抑制に取り組み、持続経営力を高めてまいります。
3.投資・財務戦略
「Drive 2022」の3年間に獲得するキャッシュに加え、適切かつ機動的な資金調達を行い、投資枠5,000億円を設定します。戦略投資は前中期経営計画比2倍以上となる4,000億円に引き上げ、うち3,000億円をM&A投資枠として設定し、技術やノウハウ、グローバルの販路獲得などに活用します。
一方で、ROIC導入・重視により、これまで以上に効率・回転を意識して資本を活用していきます。そして、デジタル変革(DX)、働き方改革、環境負荷低減などを推進し、長期的な資本コスト抑制や企業価値向上に寄与する先行投資との位置付けで、ESG投資枠400億円を設定しました。
◆戦略投資: 4,000億円(うちM&A等3,000億円)
◆通常投資: 1,000億円
投資合計: 5,000億円(ESG投資400億円を戦略投資・通常投資の内数として設定)
◆研究開発費: 1,300億円
4.株主還元
株主還元のコミットを強化・明確化します。
◆配当性向: 35%以上
◆DOE: 3%以上
◆総還元性向: D/Eレシオ0.5以下であれば、50%以上
◆自己株式消却: 発行済株式総数の5%以内となるよう、新規取得見合い分を消却
5.事業目標値
(単位:億円)
◆全社
◆セグメント別
本件に関するお問い合わせ先
※発表日以降当面、恐れ入りますが、E-mailにてご連絡いただけますよう、よろしくお願い申し上げます。
積水化学工業株式会社 広報部
Email:kouhou@sekisui.com
TEL:03-6748-6467 FAX:03-6748-6547