多角化の推進
セキスイハイム誕生
1970年代に入り、通貨変動相場制への移行やオイルショックを経て高度経済成長期が終焉を迎えるなかで、積水化学はプラスチック事業で培った技術を発展させ、事業の多角化を進めていくことになります。そして現在の積水化学を担う新製品・新事業が次々に開拓されました。
そのひとつがユニット工法住宅「セキスイハイム」です。積水化学の住宅事業の歴史は長く、1960年に“セキスイハウスA型”の試作に成功し、発足したハウス事業部を分社化、積水ハウス産業株式会社(現:積水ハウス株式会社)を設立しています。
現在の住宅事業の本格的なスタートは、1970年に、セキスイハイム第1号商品「セキスイハイムM1」を開発したことに始まります。工場生産率80%を超えるユニット工法による、高品質、高性能、コストパフォーマンスの高さ(当時 坪当たり13.4万円)を実現したセキスイハイムは、良質安価な住宅の供給が急がれていた日本の住宅業界において、たちまち脚光を浴びることになります。1970年の「東京国際グッドリビングショー」で初登場。翌年、発売されたセキスイハイムは、1974年には累積受注が1万棟を突破。発売から3年で大手プレハブ住宅メーカーの仲間入りを果たしました。1975年に、ロングセラー商品「パルフェ」の基礎となる「ハイムM3」を発売し、1982年には、木質2×4ユニット工法の「セキスイツーユーホーム」を発売するなど、意欲的に新製品の開発に取り組み、日本を代表する高性能住宅として進化を続けています。
1970年5月 | 堺工場開設(~2007年)、可塑剤の製造開始 |
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1970年10月 | 『東京国際グッドリビングショー』にユニット住宅「セキスイハイム」を出品 |
1971年 | 3月 武蔵工場に鉄骨系工業化ユニット住宅「セキスイハイム」の組立工場が完成、6月 「セキスイハイム」発売、住宅事業に本格進出 |
1971年10月 | 奈積工業株式会社(現:セキスイハイム工業株式会社)設立 |
1972年 | 本社を堂島関電ビルに移転(現在の大阪本社) |
1972年3月 | 株式会社サンエスハイム製作所(現:セキスイハイム工業株式会社)設立 |
1974年 | 合成木材FFUの本格製造開始 |
1975年 | 強化プラスチック複合管「エスロンRCP」発売 |
1979年 | プラスチック機能微粒子「ミクロパール」商品化 |
1979年3月 | 中央研究所内にてメディカルプロジェクト発足 |
1979年11月 | 製造から販売・サービスにわたる品質管理の最高栄誉賞『デミング賞実施賞』受賞 |