私たちの想い

サステナブルな社会の実現に向けて、LIFEの基盤を支え、“未来につづく安心”を創造しつづけるために、積水化学グループは長期的な視点に立って環境課題に取り組んでいきます。

地球は、大気、水、土壌などが相互に作用しながら生物の健全な生存基盤をなし、豊かな生物多様性を形成しています。人類の暮らしや経済活動は、地球の価値ある自然資本や、活動の中で生み出された社会資本を活用することで、持続的に発展する
―積水化学グループは、このような地球・社会を目指しています。
温室効果ガス(GHG)の排出量を減らす、資源の循環型利用を進める、生態系への負荷を減らすなど自然資本の劣化を食い止めることはもとより、サステナビリティ貢献製品の販売拡大などを通して自然資本および社会資本へのリターンに貢献し、生物多様性が保全された地球の実現に向け日々事業活動を行っています。

  • 自然資本:土地、大気、水、鉱物、動物、植物など物的資本、生物資本と人的資本、社会資本など。
    社会資本:道路、住宅、港湾、空港、鉄道、上下水道、公共的公園、文教施設、社会福祉施設、電気、都市ガス、病院など、生産活動や生活環境の基盤をなす社会的設備・施設をさす。

環境負荷低減への取り組み

積水化学グループは、化石燃料や木材など地球の財産(自然資本)を利用して事業を行っています。
かけがえのない地球環境の保全と持続可能な事業の両立に向けて、「環境負荷の低減」を目指し取り組んでいます。
2020 年度からは取り組みの範囲をサプライチェーンにまで拡大し、環境課題の解決に向けた“サプライチェーンを含むライフサイクルマネジメント”を強化しています。

気候変動への対応

サプライチェーンを通じて温室効果ガスの排出削減に取り組みます。

気候変動という世界全体にかかわる喫緊の問題に対し、当社グループでは自社の排出するGHG の削減はもちろん、原材料の調達から製品輸送、使用、廃棄に至るまで、サプライチェーン全体でのGHG 排出量の削減にも取り組んでいます。
2020 年度から始動した長期ビジョンのもと、再生可能エネルギーの利用拡大を軸とし、事業活動を通して温暖化対策に貢献する方針をより明確に発信し、2050 年のカーボンニュートラルの実現に向け加速していきます。

関連製品・技術

セキスイハイムZEH仕様住宅

「エネルギー自給自足型の住宅」の普及に取り組むことにより、温室効果ガスの排出削減に貢献しています。

高い断熱性と創エネ&蓄エネ設備を備えたZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の家。住まいの断熱性・省エネ性能を上げること、そして太陽光発電などでエネルギーを創ることにより、年間の一次消費エネルギー量(空調・給湯・照明・換気)の収支をゼロ以下にすることを目指した住まいです。
さらに住宅を“ユニット単位”に分割して工場でつくり込むユニット工法の強みを活かして、工場生産~据え付けの過程で生産安定・効率向上や不良ゼロライン化に取り組み、廃棄物発生量の削減と資源の有効活用に努めています。
また、セキスイハイムオーナーを対象とした電力買取事業「スマートハイムでんき」の活用などで、セキスイハイム生産工場の全電力再エネ化※1を前倒し達成しています。
設計・開発・運営まで自社でトータルで対応する『サステナブルなまちづくり』にも取り組んでいます。

  1. ※1再生可能エネルギー指定の非化石証書の使用による実質再生可能エネルギーを含みます。

資源循環の実現に向けた対応

ライフサイクルを通じた廃棄物の削減とリサイクルに取り組んでいます。

ライフサイクル全体で3R(Reduce:使用抑制、Reuse:再使用、Recycle:再資源化)を徹底し、事業所のゼロエミッションの達成に取り組んでいます。これらの活動は今後も継続するとともに、2050 年サーキュラーエコノミーの実現、循環型社会の実現を目指して、プラスチック原材料を中心とする資源転換(非化石由来および再生可能材料の活用)、廃棄物のリサイクル技術の開発と社会実装に対する取り組みなど、リサイクルの推進に取り組んでいきます。

関連製品・技術

S-LEC™遮音遮熱中間膜

積極的に再エネ転換の取り組みによって資源循環の実現に貢献しています。

中間膜は、ガラス貫通・飛散防止目的で自動車や建築用合わせガラスに使用されているフィルムで、紫外線カット機能も有しています。
当社では、そうした基本機能に加え、遮音・遮熱・ヘッドアップディスプレイ対応などの機能を付与した高機能中間膜の開発・販売を行っています。
遮音中間膜はガラスの厚みを減らし、自動車の軽量化に、また遮熱中間膜は車内の温度上昇を抑え、エアコン効率を改善することで燃費・電費向上に貢献します。
こうした製品軸での環境負荷低減に加え、お客様の生産工程で発生する中間膜の耳部分(トリム)を回収し、品質に問題ないトリムを中間膜に再利用する取組みを行ったり、中間膜の主要工場のひとつである欧州工場では再生可能エネルギー100%を利用し中間膜の原料及び中間膜を生産するなど、生産拠点においても積極的に再エネ転換の取り組みを進めています。この試みは他の工場へ順次拡大していく予定です。

  1. ※1再生可能エネルギー指定の非化石証書の使用による実質再生可能エネルギーを含みます。

水リスクの低減

流域で共有の自然資本として水資源の保全に取り組んでいます。

水リスクとは、河川の氾濫や水質汚染、水資源の安定確保など、水に係わる問題が企業活動に及ぼしうる影響のことです。水リスクは生物多様性をはじめとした自然環境のみならず、生活や産業など人間の活動にも多大な影響を及ぼします。
水資源は事業を継続するうえで欠かせない自然資本であり、同時に地域共有の自然資本でもあります。積水化学グループは取水量の削減と排水による環境負荷の削減に関する活動に加え、事業所が立地している流域の水資源に対して、リスクが事業継続に与える影響を把握したうえで、地域共有の資源である水を持続的に使用していることを念頭に、事業活動の検討を行っています。

関連製品・技術

雨水貯留システム クロスウェーブ

慢性的な水不足への対策、都市緑化および防災を目的とした雨水の循環利用、洪水による災害対策に貢献することで、水 リスクの軽減に貢献しています。

雨水貯留システム「クロスウェーブ」は、再生プラスチックを原料とした成形品で、地下に埋設して空間を形成し、雨水を貯留するために使用されます。豪雨時に下水道や河川に流れ込む雨水の量を調節し、雨水の再利用を可能にします。
また、地下埋設式のため、地下に雨水貯留槽を置き、地上には駐車場や公園を設置できるため、土地の有効活用ができます。

化学物質管理

適正管理や排出削減を通じて環境への影響を低減します。

化学物質を適正に管理し、製品安全や労働安全、環境影響に配慮することが企業の重要な責務であり、自主目標を定めて化学物質の排出・移動量の削減とグローバルな法令遵守に継続的に努めています。

環境影響度評価

製品やサービスが地球環境に与える影響を把握しています。

製品やサービスが地球環境および社会環境に与える影響を把握し、最小化することを目的に、製品の企画、開発、量産試作、上市、初期流動の各段階において、製品の環境影響を継続的に行っています。

マテリアルバランス

事業活動で使用した資源およびエネルギーの投入量(インプット)とその活動にともなって発生した環境負荷(アウトプット)を表しています。